【お遍路02】徳島を終え、いざ高知へ!「修行の道場」幕開け

四国八十八ヶ所 お遍路の旅

高知は広かった。そして突然の孤独。

徳島県はお遍路さんや街中の散策も含めて、割とスムーズに進んだイメージでした。

しかし、高知県に入った途端、思ったのです。

わたし
わたし

札所間の距離が長いし、広大な自然の中で行き交う人も少ない。これもしかして肉体的にも精神的にも、かなり大変なんじゃない?

四国各県にはお遍路の難易度や精神性を表す単語が使われています。

徳島は「発心の道場」、高知県は「修行の道場」、愛媛県は「菩薩の道場」、香川県は「涅槃の道場」

高知県だけちょっと厳しめなサブタイトルがついているな、とは思っていたのですが、この後私はその理由を知ることになります。

高知お遍路の敵は「坂」と「虫」

高知県の札所は坂が多い。とにかく登る。登る。登る。

石畳は注意しないと足を取られて滑ってしまいます。
信じられないくらいの量の虫が襲ってきます。
25番札所 津照寺の125段の階段。みなさん汗だくで登っています。

実は高知県編。とっても大変だと聞いていたので歩き遍路にチャレンジしていたのです。

私の性格上、「つらい状況でさらに自分を追い込む」ことが好きで、お遍路を始めたのも、あえて人生の1番つらい時期に修行をするべきだと思ったのもあり、高知県にかけていたのです。

まず1日15〜18kmペースで歩いていたのですが、鬱血して足がこんなになってしまいました。

恐らく、強い締め付けの靴下を履いていたせいで血が下に降りずに溜まってしまったのだと思います。

さらに虫除けを振り忘れてしまった日は、遍路道でヌカカの大群や毛虫に襲われ上半身が餌食になってしまいました・・・

上半身全てがこの状態。痒くて痒くて眠れませんでした。

立ち寄った皮膚科の先生には「これは派手にやられたねー笑」と笑われました。テヘヘ。

ここで教訓、

歩き遍路するなら、トレッキングシューズに、着圧ソックスだ!

歩き遍路はほとんどがアスファルト道、ランニングシューズと、滑り止め付き靴下!

お肌が弱いから、肌の荒れない優しい虫除けスプレーを朝にひとふり♪

子供・ペット不可の超強力虫除けスプレーを全身に噴射!クサい!苦い!これでヨシ!

それでも着いたら嬉しい室戸岬。1人で行っても岩にスマホを挟んで思い出の写真が撮れます。

室戸岬から徒歩5分にある御厨人窟で販売しているお守り。お遍路中、1番可愛いと思ったお守りです。売り切れている場合や販売所に人がいない場合もありますが、あれば速攻GETしてみてください。

御厨人窟は空海が自分の名前を「空海」に決めた場所。お守りも空と海と夕日を表しています。

高知県は美味しい食事の宝庫!修行のつらさも忘れられます。

高知県、つらい道中の反面美味しいお食事もたくさんあります。特に美味しいと思ったものをご紹介します。

まずは定番。地元の方に教えてもらった鰹のタタキのお店。

お酒が飲めない私ですが、思わず生ビールひとつ!と叫びたくなる美味さ。

次は南国土佐ならではのフレッシュな採れたてフルーツがいただける場所。

季節によって食べられるフルーツが違いますが、乾いた体と折れた心に南国フルーツが沁みます。特にマンゴーがとっても美味しかったです。

次はこちらも地元の方に教えていただいた”シラス丼”が美味しいお店。安芸シラスはブランドものだそうです。

お腹が空いていたのでかき揚げも乗せました。

最後にここは、お遍路さん達がこぞっておすすめしてくれた、鰻の名店です。

国産・天然のうなぎが食べられる場所は数少ないですが、それでもここのうなぎは素晴らしかった。

あまりに美味しくて店員さんに「美味しい!美味しい!」と熱弁したうな丼。

おおよそ400kmある高知編ですが、その長さの分手付かずの自然や山の幸・海の幸をたくさんいただくことが出来ました。

私は区切り打ちですが、6月〜9月の約3ヶ月を高知県に費やしました。とても時間がかかりましたが、今振り返ると人生をかけても振り返られるような名シーンがたくさんありました。

修行の道場。終わった後は、もう2度とごめんだ、と思ってましたが、今はまた訪れたいと思っています。

初めての宿坊。初めての早朝お勤め。

はい。高知県で有名な宿坊があると出会ったお遍路さんに聞いていたので、今回は第37番札所「岩本寺」さんに隣接する宿坊にやってきました。

部屋はこんな感じです。

金剛杖を立ててくれるところがあるのが、お遍路リスペクトがあって素敵だと思いました。

着いたらまずは寝ます。畳にそのまま体を預けてスピスピ寝ました。次にここは大浴場のある宿坊なので、疲れた体をもみほぐしながら入らせていただきました。お風呂は本当にありがたい。

なんといっても岩本寺さんは本堂の天井画が素晴らしい。街の方々が1枚ずつ描かれているらしく地域の方々に愛されているお寺さんなんだなぁと実感しました。

こちらの御神体はまだ魂が入っておらず写真撮影可能ということで撮らせていただきました。

夜ご飯は近くの酒蔵をリノベーションしたレストランへ夕飯チケットを持って食べに行くシステムです。街全体で地域活性化を盛り上げようとされているのがとても素敵だと思いました。

お酒のサブスクやコワーキングスペースの貸し出しにランチ営業と色々チャレンジされているお酒やさんです。
四万十麦豚の米麹焼き 柔らかくて甘味が素晴らしくとても美味しかったです。

私が宿坊に泊まってやってみたかったこと。

そう、それは、朝のお勤めです!

朝のお勤めとは、宿泊者が早朝に本堂や大師堂で僧侶と共に読経法話を体験し、ご本尊や弘法大師に感謝を捧げることで心身を清める修行の儀式です。

朝6時 住職さんと一緒に般若心経を読みます。

ここには表に3つの御神体があるのですが、まだ魂が入っていないカラの状態なので表に出ており写真も撮っていいとのことでした。境内には寄付を募る用紙もあり、もっとたくさんの人が訪れるようになればいいのにと思いました。

外はほんのり暗く、朝からいいことしてるな!という気持ちになれます。

ちなみに当日寝坊してこられた60代の男性がおられて「太鼓の音で目が覚めて大急ぎできました。笑」とみんなで笑い合う時間もありました。

このルーズで優しい感じもとても好きです。

ちなみにお母さんと来られていた4歳の女の子は私より上手に般若心経を読んでいてい皆に褒められていました。可愛い。

お勤めが終わると広間に朝ごはんの用意が出来ていました。ねぼすけお父さんと天才少女と楽しい朝ごはんタイムです。

ねぼすけお父さんは昨年奥様を亡くされたことがきっかけでお遍路を始めたそうです。

寝坊してきた時はとてもチャーミングで、朝ごはんも笑顔でたくさん食べていらっしゃいましたが、その裏には悲しみや葛藤、そしてお遍路に出る勇気やそこに賭ける望みが見えて胸が熱くなりました。

孤独の先に見えた「修行の終点」

最後までご覧いただいてありがとうございます。

高知県の旅は長かったですが、その孤独こそが修行であり、自分自身を深く向き合う時間になりました。

最後足摺岬の写真でお別れしましょう。

次回は愛媛編。急遽外国人ツーリストとお遍路をすることになったりバイクレースに立ち寄ってみたり、楽しいことが目白押しです。

それでは〜

足摺岬からの光景。ここは歩きではなくぜひバスで行ってください。
乗ってゆらぐと心に迷いがあると言われる岩。そもそも大きすぎて乗るまでが大変。
白山洞門:38番札所金剛福寺のある足摺岬周辺には、このような海蝕による洞窟や洞門が多く見られます。

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